2019.03.19

老舗文具ブランドとのコラボ秘話

ノートと私の物語。

profile
鈴木 セリーナ

大分県出身
幼少期から英才教育を受けお嬢様として育つ。 16歳の頃、親への反発心からドロップアウト。
年齢を隠して、地元クラブのホステスとなる。
20歳の頃、「銀座のクラブのママになりたい」と夢見て上京。
当時、テレビなどで有名だった銀座高級クラブ「F」で働く。
相手の懐に飛び込むトークと物怖じしない性格が受け、たちまち人気ホステスとなる。
その後、銀座老舗クラブ「江川」に引き抜かれ、売上ナンバーワンに。
銀座ホステスを辞めてからは、主に文房具を扱う企画会社とタレントキャスティング会社を起業。
ビジネスの世界でも成功を収める。
マルチクリエイティブプロデューサー。
経済界からマスコミ業界、政界まで、様々な業界のトップクラスと交友が深いことでも知られる。
現在は、出身地である大分の街おこしにも携わっている。

 

 

きっかけは、社員と打ち合わせをするために入った駅近くのマクドナルドでのことでした。当時まだ私の会社には事務所がなく、マクドナルドの小さなテーブルで作業をすることも多々あったんです。元々私は文房具が好きだったので、打ち合わせも断然ノート派。この日は打ち合わせ中に、当時お気に入りだったノートを社員におすすめしていました。そうしたら、彼女がテーブルに対してノートを斜めに置いて試し書きし始めて…。

 

 

 

 

テーブルが小さいというのはもちろんあったけれど、それがあまりにも面白くて、「それ、どうにかならないの?」って指摘をしたんです。そうしたら、「じゃあセリーナさん、斜めに書き物をする人のためのノートを作って下さいよ」と返されて(笑)。もちろん当時はノートなんて作ったことありませんから、「とりあえず、このノート会社の人に聞いてみる?」という話になって、ノートの裏を見て連絡をとったのが、後々お仕事をさせていただくことになる、ツバメノートさんだったんです。

 

マクドナルドから電話をかけたら、当時の専務が直々にお出になりました。そうして経緯をお話ししていたら、「一度会社に来てみない?」と言ってくれまして。それで早速アポイントをとって会社に行って「斜めに書く人のためのノート」の話をしました。今まであまりなかった提案なのか、専務はとっても面白がってくれて、周りの問屋さんにも反応をリサーチまでしてくださり、競合相手がいないからみんな興味を持っているよ、ということも教えてくれました。

 

でも、元々は社員のための1冊を作ろう、と思ってスタートしているわけですから、作って売ることなんてもちろん考えていません。販路がないどころか、聞いてみると商用ロットは3000冊。ノートを作るためには紙をロールで購入する必要があるので、欲しい分だけ作ろうとすると、1冊10万円以上のノートになってしまうよ、と言われてしまいました。

 

そんな話をしながら、とりあえずもう一度お会いするチャンスをもらえたので、今度は私の考える「斜めのノート」のデザインを描いて持って行きました。表紙には斜めの罫線が入ったもの、表紙の裏には使い方が入っていて、中面にも、一部だけまっすぐな罫線を入れて工夫したりして…。そうしたらそれを見た専務が、「よしわかった、うちで君の企画を買い取って売るよ」と言ってくれまして。そんな経緯で、企画料という形で元々ファンだったツバメノートさんとお仕事をすることになったんです。

 

(続)

 

 

 

取材・文/まちおこし

撮影/八坂悠司