2020.01.20

SPECIAL TALKS

Vol.3

女性が気持ちよく働くために習得すべき“スキル”

元銀座No.1ホステスで、現在は実業家として様々な事業を展開している鈴木セリーナと、ファッション動画マガジン「MINE(マイン)」で編集長を務める秦 亜衣梨による、対談連載。第3回目のテーマは、『女性の働き方』について。女性が働きやすくなるためのスキルや、チームマネジメントの方法を語ってもらいました。
文=島野美穂(清談社)写真=関大介(世紀工房)

プロフィール

秦 亜衣梨
大学時代に始めたライターアシスタントの経験を活かして、フリーのライターとして本格的に活動開始。大学卒業後、女性誌『GLAMOROUS』(講談社)でフリーのエディターとして独立した後、女性誌『GINGER』(幻冬舎)の創刊メンバーとして参加。本誌以外に、モデル平子理沙のスタイルブック『Girls Girls Girls』や、菜々緒ポーズを生み出した女優、菜々緒の写真集『1028_24 菜々緒 超絶美脚写真集』、『菜々緒スタイルブック』の編集、執筆を担当。その後、CCCメディアハウスの女性誌『FIGARO japon』へ。アーティスト松任谷由実の連載を担当。2017年11月よりファッション動画マガジン『MINE(マイン)』の編集長を務める。
鈴木 セリーナ
大分県出身。幼少期から英才教育を受けお嬢様として育つ。16歳の頃、親への反発心からドロップアウト。年齢を隠して、地元クラブのホステスとなる。20歳の頃、「銀座のクラブのママになりたい」と夢見て上京。当時、テレビで有名だった銀座高級クラブ「F」で働く。相手の懐に飛び込むトークと物怖じしない性格が受け、たちまち人気ホステスとなる。その後、銀座老舗クラブ「江川」に引き抜かれ、売上ナンバーワンに。銀座ホステスを辞めてからは、主に文房具を扱う企画会社とタレントのキャスティング会社を起業。マルチクリエイティブプロデューサーとして、ビジネスの世界でも成功を収める。実業界から政界、マスコミ業界まで、様々な業界のトップクラスと親交が深いことでも知られる。

女性が気持ちよく働くために習得すべき“スキル”

前回は、オジサンと若い女性の距離が縮まることで、もっと働きやすくなるというお話でした。お二人が思う「女性の働き方」について、さらに詳しくお聞きしたいです。

秦さんと最初にお会いしたときにお話をしたのが、“ウーマンエンパワメント”についてでしたよね。

よく覚えています! 女性がある程度キャリアを積むと、男性に勝ちたいと言いだすケースが多いという話をしました。

ただ、残念ながら今の日本では、企業の重役を担っているのは、ほとんどが男性です。世に名が知られる企業の重役ほど、その傾向が強いと感じています。今後は女性がもっと進出していくと思いますが、私たちが現役で働いているうちに実現することは、正直なところ難しいと思っています。
でもその間、何もできないというわけではなくて、今の環境の中でも、もっと生きやすくすることはできます。

どういうことをすれば、より生きやすくなるのでしょうか?

ビジネスマンにヒアリングしてみると、30歳前後の女性が一番扱いづらいという話をよく聞きます。意見がぶつかってストレスだと言うんですね。
でもそれは、女性側の言い方に問題がある場合が少なくありません。「もし、こういう言い方だったらどうですか?」と聞くと、大体男性は「それなら問題ない」と言います。

言い方は大事ですよね。仕事はもちろんのこと、家庭や人間関係でも、必要なスキルだと思います。

スキルといえば、私は秦さんの「人に嫌われないスキル」がすごく羨ましいと思っているんですよ。

え、本当ですか? 正直、まったく自覚ないです! そもそも私、人に嫌われないでいようと思っている人が、あまり得意じゃないんです。特に、役職がある人に関しては、上に立つ以上嫌われて当然なわけで、その覚悟がなければ就くなとすら思っています。なので、私は嫌われて当然と思って仕事をしています。

でも、私が秦さんの会社にお邪魔すると、みんな秦さんを大好きなのが伝わってきます。私の場合は、どちらかというと「セリーナは本当にどうしようもないやつだ。でも仕方ないな」という人たちがついてきてくれるんですよ。
でも秦さんのチームは、積極的に秦さんについていきたいというメンバーが集まってるように見えます。

まったく意識はしていませんが、人に恵まれているなとは思っています。私は自分には何もできないと思っているんです。たとえば、カメラを回すこともできないし、テキストを書くプロでもないし、スタイリングもできません。私の仕事は、プロが集まってくれてやっと成立するものです。さらに、集まってくれたメンバーたちが、熱い気持ちで参加してくれないことには、良いものは生まれません。なので、私がいかに「面白いものを作っている!」と確信を持っているかを周りに伝えて、それぞれに“自分ごと”にしてもらうことに一番力を入れているかもしれません。

私も、まったく一緒です。私一人では何もできないので、周りの人たちに助けてもらっています。そうして、一緒にプロジェクトをすることになったチームのメンバーには、同じ温度を持ってもらうことを大事にしています。私は今、大分トリニータのスポンサーとして、大分の町おこしをしようとしていますが、やはり、メンバーみんなが同じ温度でいないと、大きなムーブメントって起きないんですよね。
だけど、チームの人数が多くなればなるほど、みんなが同じモチベーションを保つことは難しくなっていきます。

セリーナさんは、その場合はどうされていますか?

最大限努力はします。何が問題で、どういう改善方法があるのか提案して、しばらく様子を見ます。そこで改善できればいいのですが、それでもできないケースもあります。なのでそうした場合には本当のことをお伝えしたうえで、チームから外れてもらいます。悪い影響がチーム全体に広がるほうがリスクだと思うので。秦さんはそういう状況のときどうするのか、お聞きしたいです。

秦編集長と鈴木セリーナのリーダーシップ論とは?

私の場合は、もしチームにモチベーションの低い人がいるなら、同じような人たちを何人かまとめて、マイノリティにするチーム構成にしています。
モチベーションが低い人たちでも、優れている面を持っていたりするので、なるべくそこが目立つようなバランスを組むようにしていますね。

なるほど!

でも、それはそれで難しいところもあります。モチベーションが高い人と、そうでない人を分けることは、チームワークが崩れる原因にもなりえます。マイノリティの人たちも、優れている部分があるということを、全体にアピールしてあげないといけないので、コミュニケーションコストはかかります。

  • 秦さんはやっぱり優しい。今のお話、すごく参考になりました。リサイクルできる人材はリサイクルするということですね。
  • 逆に私は、セリーナさんのジャッジの早さはすごいと思います。一緒にお仕事をしていく中でも、実は、ひしひしと感じています。私一人だったら足を踏み込めていなかったところも、セリーナさんが一言「やろう」と言うと、足を踏み込まざるを得ない。でも結果的にそれが、私にとって心地良かったり。新たな発見です。

内なる自分が開花したような?

そう。セリーナさんのおかげで開花したかもしれません(笑)。

(第4回に続く)