こうしてキャリアを積み上げた
第2回 思い立ったらすぐ電話。
――話は変わりますが、お二人はビジネスパーソンとして働く上で大事にしていることありますか?
misono人との出会いかな。つながりに感謝してますね。ホントにそれだけしかなくって。17から33歳まで大手事務所にいて、約10年間ほどバラエティーに出続けて来ましたけど、本当にこれ1つですね。人との出会いだけで、生き残れましたし、淳(ロンドンブーツ1号2号の田村淳)を筆頭に、もちろんそれ以外の方々も。はじめましての人とお仕事をすることはなく、ほとんどがリピーターですね。
――人とのつながりを維持するテクニックはありますか? 義理ごとを欠かさないとか…。
misonoウチ、究極のB型で、面倒くさがり、飽き性、熱しやすく冷めやすいなどなど。テクニックなんてないです。なんでLINEっていうアプリが出来たんだろうと思って。すぐ既読ついちゃうから、ごまかせないし、だから今でもガラケー使ってますもん。
――意外に筆不精なんですね。そうなると義理を欠くことも?
misonoいままで、大手事務所にいてスタッフがたくさんいて、経費もあったからお花も出したことはなかったし、差し入れを持って行くとかもなかったし、多分、人としても終わってたんですよ。やってもらうことが普通だったから。でも、昨年、10月に事務所を独立してからは、自分の荷物は自分で持つ、運転手もいないから、自分で現場に入るとか、全部自分でやっています。
――当時、なんでいろんな先輩芸能人らに、かわいがってもらえたんでしょうね?
misono面白いからじゃないですか(笑)。
鈴木セリーナ詩織自分で言う(笑)。でもそういうところが好き!
misonoローマ字のmisonoだから、許されてきたことがいっぱいあると思うんですよ。普通と違う行動をすると、周りがmisonoやからなと笑い飛ばしてくれてた。ホントに恵まれてた。ダマされたとか、裏切られたとかも、あんまりないので、そもそもいい人たちに囲まれていたっていうのがありますね。
鈴木セリーナ詩織そうは言うけど、なんやかんやで人のために尽くしてきたんじゃないかな~。
――セリーナさんのビジネスパーソンとしてのポリシーは?
鈴木セリーナ詩織misonoちゃんと一緒。人とのつながりを大事にしている。私はいい家を出たけど、なにもなくって、16歳からホステスやって、他人の大人に育てられたみたいなところがあってですね。23までホステスやって、なんやかんやで、地元でも銀座でもナンバーワンで、
大変なのはそこからなんですよ。本にも書いたんですけど、生易しいものではなくって、銀座時代にいろんな方を接待させていただきましたけど、その方々が仕事をくれるわけじゃないんですよ。
鈴木セリーナ詩織ホステスを辞めてすぐに外注としてDream5(5人組のダンス&ボーカルユニット、大人気アニメ『妖怪ウォッチ』のエンディングテーマが大ヒット)っていうグループの子たちのキャスティングをさせていただいていたので、接客させていただいた当時のお客様たちのところに売り込みに行くんですけど、「じゃあ、僕たちのメリットってなんなの?」って言われるようになるので、ホステスの時は、ある意味、格下に見られているから「してあげたい、してあげたい」って気持ちになるけど、でも、ビジネスになったら同等なんで、やっぱ、自分たちの利益も追及されるんですよね。結局、新たに人脈を開拓することになるんですけど、そこから知り合った方々がホントに良くしてくださって、そこからまたいろんなつながりが出来て、今日に至ります。
misonoこんだけ顔が広いのはホステス時代にえたものじゃないんだ!
鈴木セリーナ詩織それは1割ぐらいかな。
misonoへーーーー。
――新たに人脈を開拓って、どんなことをしたんですか?
鈴木セリーナ詩織創業して資金が底をつき、金もない、仕事もない、コネもないじゃん。どうしようって思った時に、通りかかった本屋に会社四季報(投資家のための企業情報誌)が置いてあって。「世の中にはこんな分厚い本があるの」って思って、開いてみたら会社名と役員の名前と事業内容と電話番号が書いてあったの。で、「なんやこれっ!?」て思って。ウィルコム(PHS)が、10分間まで無料通話できて、それを使って、片っ端から電話をかけまくったわけ。それで営業をとって、それがきっかけで付き合っている人がほとんどですね。
misono裏にそんな努力があったんや。
――ははは、豪快なやり方ですね。実際、どのくらいの割合で会ってくれるんですか?
鈴木セリーナ詩織テレアポの10件中5件は会えていましたね。相当成功率高いです。そこはホステス時代に培った話力だと思うんですね。ホステスは席に着いたら3分以内に席について(自分を覚えて に変更)もらわなければならない。そこで自分のプレゼンをしてましたね。まるでテレクラ気分よ(笑)!
misono言葉遣いも丁寧やしね(笑)
――確かmisonoさんもモノマネがやりたくて、突然、モノマネ番組に電話したんですよね。
misono大手事務所にいる時から、やっぱり自分のお仕事は自分で取らなければいけないって思っていて、モノマネはどうしても出たいとなって。エイベックス的にはアーティストとして売りたいっていうのもあったんですけど、モノマネというエンターテイメントは、小さい頃から家族で見ていた番組だったし、プラスアルファ、ひとりで何百人の声ができれば、よりいっそうお客さんはライブを楽しめて、大満足で帰ってもらえるだろうなと思って。老若男女知っている楽曲をやれば、自分のオリジナルじゃなくても楽しませることができる。そういう引き出しを増やしたいと思っていたんですよね。常々そういう想いがあったので、モノマネ番組を見ているときに、テレビ画面の右上に書いてあった一般応募の番号に電話したんです。
鈴木セリーナ詩織へー。
――現役バリバリのタレントさんが電話かけたら、制作サイドもビビりますよね。
misonoふつうに神田美苑です、住所はこうです、年齢はこうですって全部言い終わった後に、「少々お待ちください」って、女性から男性に代わって「芸能人のmisonoさんでよろしんでしょうか? 一度オーディションに来ていただけませんか」って言われて受けに行ったんですよ。
鈴木セリーナ詩織これ、すごいと思うんですよ。ゼロからでもいつでもやれる強さがあるでしょ。彼女の会社は長く続くと思いますよね!