2019.06.11

SPECIAL TALKS

Vol.2

「子供がいるから働けない」は、言い訳です。

元銀座No.1ホステスで、現在は実業家として様々な事業を展開している鈴木セリーナと、ものまね芸人・みかんの対談連載第2回。今回は、仕事に対する価値観について語ってもらいました。お二人が思う、“運を呼びこむ人の特徴”とは?
文=島野美穂(清談社)
写真=宗廣暁美

PROFILE

みかん
高校卒業と同時に上京し、ものまねタレントとしてデビューを果たす。子供の頃、好きで始めたものまねを、学生時代から本格的に磨きを掛けて、現在では50以上のレパートリーを持つ。ジャンルは歌マネからアニメキャラまで幅広く、その完成度は玄人(くろうと)筋を唸らせている。先日第二子の妊娠を発表。ものまねママタレントとして、今後もマルチな活躍が期待されている。
鈴木セリーナ
大分県出身。幼少期から英才教育を受けお嬢様として育つ。16歳の頃、親への反発心からドロップアウト。年齢を隠して、地元クラブのホステスとなる。20歳の頃、「銀座のクラブのママになりたい」と夢見て上京。当時、テレビで有名だった銀座高級クラブ「F」で働く。相手の懐に飛び込むトークと物怖じしない性格が受け、たちまち人気ホステスとなる。その後、銀座老舗クラブ「江川」に引き抜かれ、売上ナンバーワンに。銀座ホステスを辞めてからは、主に文房具を扱う企画会社とタレントのキャスティング会社を起業。マルチクリエイティブプロデューサーとして、ビジネスの世界でも成功を収める。実業界から政界、マスコミ業界まで、様々な業界のトップクラスと親交が深いことでも知られる。

SPECIAL TALKS / Vol.2

運を呼びこむポイントとは?

今回はお二人の仕事の価値観について、伺っていきたいと思います。

私は、経営者として、普段からいろいろな方にお会いするんですけど、何のスキルもない人に限って「人に何かを与えたい」と発言する場面をしばしば見かけます。
特に、『キラキラ起業女子』にそういう人が多いですね。

『キラキラ起業女子』? なんですか、それ(笑)!

『キラキラ起業女子』とは、SNSでキラキラした自分の日常生活をアップして、集客を行う女性起業家のことです。「私のようにキラキラした毎日を送るため」のカウンセリング料やコンサルタント料が主な収入源で、カリスマクラスになるとかなりの高収入を得るそうです。ただ、ほんの一部だろう、とも言われています。

キャラがかなり濃いので、きっと、みかんちゃん、『キラキラ起業女子』のものまね、すぐにできると思う(笑)。
最近もね、私の話が聞きたいからということで、起業している女性二人に誘われて、食事に行ったんです。でも話を聞いていると、どうやら、彼女たちはお金を稼ぐことよりも、マインドのほうに気持ちが向いているんですよね。とにかく「誰かを育てたい」と言うんです。ところが、そういう人に限って、まだ与えるものを持っていないの。

……う〜ん。そういう人は、もがいてるんじゃないのかな?

きっと、そうなんですよね。今、自分がもがいてる最中なのに、誰かを育てることはできないはず。だから彼女たちには、まず働いて実績を作りなさい、とアドバイスしました。

なるほど。

みかんちゃんは、自分の芸で、みんなが笑ってくれることが喜びだとおっしゃってましたよね。ものまねという人に与えられるものがあって、それを提供できるって、とても素晴らしいことだと思います。

(松嶋尚美さんのものまねで)一生食っていけるで!

そう(笑)! 人を育てることって、結局、実績がある人にしかできないことだと思うんです。

私も、同じ意見です。自分に実績がないのに、人のことは育てられないですよね。私自身、誰かを育てるなんて、まだまだできません。
それよりも今は、一流のプレーヤーとして仕事をすることに、喜びを感じています。マネージャーさんや、一緒に営業に行っているメンバーも、もちろん一流で、対等な仲間たち。お互いが認め合いながら、仕事ができる環境を大事にしています。

みかんちゃんのすごいところって、何もないところから、そういう環境を作り上げたところだと思うんです。お笑いのスクールに入っていたわけでもなく、何かルートがあったわけでもないんでしょう? しかも、人気が出たのだって、結婚して、お子さんを産んでからですよね?

そうなんですよ。いや、でもね。私だって、シンデレラストーリーを夢見たこともありましたよ(笑)。上京して三、四年でテレビに出て、あっという間に売れて……みたいな。週刊誌には、“みかん熱愛発覚”とか、ことあるごとに記事が載ったりね。そういうのが理想でしたよ、そりゃ。

でも最近、第二子妊娠がニュースになったじゃないですか! おめでとうございます!

そうなんです、ありがとうございます! SNSには、「既婚者だったの!?」というコメントもありましたけど(笑)。子供がいるどころか、結婚していることすら知らない人も多いみたいです。

たしかに、みかんさんは、バリバリ働かれているイメージがあるので、結婚して、お子さんがいるという印象があまりないです。そもそもブレイクのきっかけはなんだったのでしょうか?

女医の西川史子先生のものまねで、テレビに出させていただいたのが、きっかけです。子供が一歳ぐらいのときですね。
それで、『サンデージャポン』にも毎週使っていただくようになりました。ありがたいことに、面白い編集をしてくださって、そこからまた次に繋げることができたんです。

ものすごく似ていると、当時はかなり話題になりましたよね。

テレビ局の方から、「ほかに何ができますか」と聞かれたときに、松嶋尚美さんや、土屋アンナさん、鈴木奈々さんといった、いろんなものまねのバリエーションを持っていたのも、今思うと良かったと思います。
弾数だけはありましたから。

下積み時代に培ってきたものが、そこで一気に花開いたんですね。

そうですね。あとは運が良かったんです。いい感じに仕事の流れに乗ることができたと思います。それまでは、全然オファーなんてありませんでしたから。

急にチャンスがやってきたわけですね。

はい。今だから打ち明けられるんですが、私、子供を産んでから、仕事に対する欲がなくなっていたんです。
ものまね芸人は、オバちゃんになってからでもできるし、しばらくは家庭を最優先に生きていくのもありかもしれないな、って。
そんなときに、売れるチャンスがやってきたんです。完全に予想外でした。

でも、その当時お子さんは一歳で、まだまだ目が離せない時期ですよね。忙しくなることに葛藤はありませんでしたか?

もちろん、迷いはありました。でもそのとき、夫に言われたんです。
「このチャンスを逃すと、多分もう一生ないと思う。やるんだったら、今思い切りやったほうがいい」って。
その一言で、迷いが吹っ切れて、思い切り仕事をすることができました。
なので、子供が二、三歳のときは、私そんなに育児してないんですよ。今現在も、夫にはかなり協力してもらっています。

今の話を聞いて、みかんちゃんは、運を呼びこむ人の特徴を持っていることに気がつきました。

運を呼びこむ人の特徴とは?

どんなに出来ない理由があっても、チャンスをチャンスと思って行動できる人。
運を呼びこむ人は、子供がいようと、どこにいようと、チャンスを摑みます。

たしかに行動あるのみですよね。私も同じようなチャンスは二度とこないと思いつつも、再びチャンスが訪れるためにはどうしたらいいのかは、自分の行動力次第とも思っています。
今よりもっといいネタを作って、それを世に出したいという気持ちはずっとありますし、芸人である限り、この気持ちは、ずっとあると思います。

止まったら終わりですもんね。
さっき話した、『キラキラ起業女子』の子たちは、チャンスが来る準備だけして、実際にチャンスを摑む具体的な行動はしないんですよ。
自己啓発をして、それで満足するだけなの。勉強する計画を立てて満足しちゃってる子と同じ……。
引き寄せの法則がどうとか、エステに行って一歩前進した私とかを、SNSにアップしても、それは結局、自己完結。あなたに仕事をくれそうなところに行かないとだめじゃない? と思うんです。

そうですね。頭で考えているだけでなく、とにかく動き続けることが運を呼びこむポイント。これは私も強く思います。

(第3回に続く)