profile

鈴木セリーナ

大分県出身。幼少期から英才教育を受けお嬢様として育つ。15歳の頃、親への反発心からドロップアウト。年齢を隠して、地元クラブのホステスとなる。20歳の頃、「銀座のクラブのママになりたい」と夢見て上京。当時、テレビで有名だった銀座高級クラブ「F」で働く。相手の懐に飛び込むトークと物怖じしない性格が受け、たちまち人気ホステスとなる。その後、銀座老舗クラブ「江川」に引き抜かれ、売上ナンバーワンに。銀座ホステスを辞めてからは、主に文房具を扱う企画会社とタレントのキャスティング会社を起業。マルチクリエイティブプロデューサーとして、ビジネスの世界でも成功を収める。実業界から政界、マスコミ業界まで、様々な業界のトップクラスと親交が深いことでも知られる。

頼朝(ヨリトモ)

プロデューサー、日本ソムリエ協会認定ソムリエ。
元歌舞伎町ナンバーワンホストとして、ホスト業界の礎を築く。
引退後は広告代理店をはじめ、ファッション、スタイル誌「NINE CONTINUE」プロデューサー、商品プロデュース、飲食コンサルなど、幅広い分野で活躍。
シャンパーニュ好きが高じて、シャンパーニュオブザイヤーの予選審査員も務める。

03

めずらしく“夜の仕事”の話し Vol.03

鈴木セリーナ
頼朝さんは会社員、ホスト、そして実業家へと転身されてきたわけですが、水商売の経験が、ビジネスで役立ったことはありますか?
頼朝
水商売で培った、“自分をブランディングする”スキルは、ビジネスでも役立ちましたね。水商売は、自分自身が商品です。売れっ子になるために、キャラクターや話し方、営業の仕方など、自分で自分をプロデュースします。僕で言うと、現役時代に築いた「元歌舞伎町No.1ホストの頼朝」というブランドは、ビジネスの場でもずっと活きています。飲食店プロデュースやお酒関係のお仕事をいただけるのも、現役時代の派手にお酒を飲むイメージがあるからだと思っています。
このように「自分がどう見られているか?」という思考の癖は、ホストをしていたからこそ身についたスキルですね。
鈴木セリーナ
頼朝さんと同感です。私もホステス経験があったからこそ、自分をブランディングする術が身についたと感じます。ホストを引退したあと、最初にご自身でされたビジネスはなんだったんですか?
頼朝
ITビジネスをしました。オンラインでホストクラブに行けたら面白いと思って、『モバ王子』というアプリを作りました。テレビ電話でホストと話せるというサービスを、13年くらい前、ガラケー時代にやったんですよ。
鈴木セリーナ
まさに最近、そういうサービス増えていますよね。コロナ禍(2020年6月時点)で営業できなくなったホストクラブやキャバクラのホスト・ホステスが、Zoomなどのオンラインツールを使って、営業していると聞きました。
頼朝
そうそう。案の定、『モバ王子』は早すぎましたね(笑)。時代がガラケーからスマホに移った途端、サーバー代が高すぎてサービスはそこで終わってしまいました。ほかには、飲食店のプロデュースやコンサルタント、『NINE CONTINUE(ナイン・コンティニュー)』という雑誌のプロデュースもしています。
鈴木セリーナ
本当にいろいろなお仕事をされているんですね。お酒にかかわるお仕事もしていると聞きましたが、それはどんなことをされているんですか?
頼朝

ムリエ資格を持っているので、『Japan Champagne of the Year』というシャンパーニュの品評会の予選で、審査員をさせてもらっています。僕自身、まだまだ勉強中の身ですが、今後はシャンパーニュの企画を考えたり、自分で酒屋もできたらいいなと考えています。手始めに、シャンパーニュの知識を広めるYouTubeを始めたので、よかったら見てください。
頼朝のしゃべくりシャンパーニュはこちら

鈴木セリーナ
もちろん見ます! 最近のシャンパーニュは昔よりも派手なイメージですよね。アルマンドを見て驚きました。色が付いているし、ボトルもギラッギラ。
頼朝
アルマンドは、フランスのメゾンで作っているお酒ですが、ニューヨークの資本が入ったことで派手になったという背景があります。日本に入ってくるシャンパーニュは、そういったブランディングされたものが多いんです。
アルマンドは素晴らしいシャンパンなので、本当は派手さを売りにする必要はないのですが、日本では派手にしたほうが売れるんです。
鈴木セリーナ
たしかに、水商売で使われるシャンパンは派手なものが好まれますよね。私が知っているシャンパーニュといえば、ヴーヴ・クリコ、ベル・エポック、モエ・エ・シャンドンとか。古いですか?
頼朝
その辺りは今でも素晴らしいシャンパーニュですよ。ただ、残念なのが、水商売でよく使われていることから、“シャンパン=ホストやホステスが稼ぐためのツール”と思われてしまっていることです。
もちろん、派手に飲むのもOKですが、飲み口や香りを堪能しながらゆっくり楽しむ飲み方もある。日本でももっと細かく売り分けできたらいいなと思っています。僕がホストの健康のためにシャンパンコールを作ってしまったせいもあるんですけどね(笑)。
鈴木セリーナ
頼朝さんは昔から、シャンパーニュへの愛が強いですよね。
頼朝
以前、後輩にこんなことを言われました。「シャンパンコールを作って、最も下品な飲み方を提唱していた頼朝が今、最も上品にシャンパーニュのうんちくをハイソサエティの飲み物のように語る人になってる」と(笑)。要は、バランスなんですよ。良いところも悪いところも知ってバランスを取っていく。シャンパーニュはバランスが素晴らしいお酒なので、僕もバランスの取れた人間でありたいという気持ちもあってですね。
鈴木セリーナ
頼朝さんはバランス能力にすごく長けている方だと私は思っています。いろんなジャンルのお仕事をされながら、ボランティア活動もされていると聞きました。きっかけはなんだったんですか?
頼朝
2004年に発生した新潟県中越地震です。ホストクラブのオーナーで集まって飲んでいたときに、話の流れで「1人100万円持って、タクシーで現地まで行こう」ということになって。それで、集まった4人で本当に新潟まで行き、被災された方々にお金を渡したら、ものすごく喜ばれたんです。
こういう活動を歌舞伎町でもしていこうと結成したのが、ボランティア団体『夜鳥の界』。歌舞伎町でゴミ拾いをしていました。
鈴木セリーナ
聞いたとこによると、今でも歌舞伎町のホストが、ゴミ拾いをすることがあるそうですね。その文化を作ったのも頼朝さんたちだったんですね。
頼朝
そうなりますね。その後、僕は個人的にボランティア活動するようになりました。銀座でお店をやっていたときは、その店の界隈でゴミ拾いをしたりね。ただ、銀座ってキレイなのでゴミが落ちてないんですよ(笑)。あとは、東北大震災が発生した3月11日は、毎年現地に行っています。2020年の今年で9年目でした。
鈴木セリーナ
素晴らしい行動力だと思います。思っていても実際に動ける人は少ないので、本当に頭が下がります。
頼朝
セリーナちゃんも、最近チャリティ活動を始められたんですよね。
鈴木セリーナ

はい。息子と一緒に、英語のオンラインレッスンのチャリティを始めました。


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セブがロックダウンになった際、学校もお休みになって、英語の専門学校の先生たちの仕事がなくなってしまったんです。日本と違ってフィリピンは雇用の保障がないんですよ。そこで、1時間千円のオンラインレッスンを、日本人に受講してもらい、そこで得た利益を先生たちに贈ることにしたんです。

頼朝
素晴らしい取り組みですね!
鈴木セリーナ
おかげさまで生徒数がみるみる増えて、あっという間に手が回らなくなりました。今では専用のウェブサイトを作って予約システムを導入しているそうです。あとは、自分の服をフィリピンの人たちに寄付するようになりました。普段ユニクロや無印を着ているので、それらをたくさん贈っています。
頼朝
フィリピンの人たちにとって、ユニクロは高給ブランドなので、とても喜ばれるでしょうね。
鈴木セリーナ
フィリピンの方々が喜んでくれることで、私自身も嬉しいんです。でもそれは、現実逃避の面も少しあります。
頼朝
現実逃避というのは、どういう意味?
鈴木セリーナ
この1年『Serenade Times』をやってきて、よかれと思ってやっていることにもかかわらず、厳しいご意見をいただくこともありました。大分トリニータ公式ソング『トリニータイソウ』の一件も、そのひとつですね。

そのたびに「なんで?」という気持ちになってしまっていて。でも、フィリピンの方々はもちろん、海外へ行くとJリーグでどんなことがあったなんて誰も知らないし、「よかったら」という気持ちに心から喜んでくれます。その姿に、私のほうが救われているんです。 喜んでくれる人たちがいる限り、続けていきたいですね。