デモ音源お聞きしたんですが、手洗いの曲が短調になるとは思わなかったです(笑)
一同:
(笑)
セクションで分けると、イントロ、Aメロ、サビ、そして台詞が入るという感じの構成ですね。
子どもの声も入れようって話していたので、あえてのアラビアンっぽいメロディーがミスマッチでいいかなって思いました。
子どもの声を入れるとなると『みんなのうた』みたいな感じになるイメージですかね?
浜崎あゆみさんの『INSPIRE』っていう曲のサビのダンスがイメージに合っているなって思ったんですけど、どうでしょう?手を振る動きが多いので、ちょうど手を洗っている感じで(笑)。
いいですね。でも子どもの声を入れるとなると、『クレヨンしんちゃん』の『ママとのお約束条項の歌』みたいな感じもありかなと思いました。
名曲ですよね。
たしかに。でも王道路線より良い意味で違和感のある楽曲の方が、映像を作ったときにデッカチャンが映えそうな気がします。
あ、MVも撮るんですか?それならインパクトがある方が合いそうですね。
いいですね。…でも今さらなんですけど「ごまをする」っていう歌詞を子どもに歌ってもらうのはどうなんですかね…?(笑)
落とし方じゃないですか?「ごまをする」っていうことを押しつけちゃうと悪いイメージもありますけど、コミカルな振り付けにして、最後にお母さんに「ごますっている暇があるんなら手を洗いなさい!」って叱られるとか(笑)、そういう風にまとめたらよさそう。
怒られた後で「いただきます」っていう台詞と振り付けを入れると明るくていいですね。
それならマスクの作り方とか、トイレットペーパーの在庫はあるぞとか色々なバリエーションが作れそうですね(笑)。
歌詞の中に「コロナ」という言葉を使わずに作りたいですね。
いいですね!じゃあその方向で、ちょっと歌詞変えましょうか。
今思ったんですけど、童謡って使ってもいいんですかね?子どもの声の後ろで「なんか聞いたことあるな」っていうメロディーをシンセ※で鳴らすのもありかなと。
※シンセ:シンセサイザーの略。電子回路によってさまざまな音を出す楽器。
著作権が切れているものだったら問題ないんじゃないですか?デッカチャンはなにか好きな童謡ありますか?自分に合っていると思う曲とか。
なんだろう…暗いのしか出てこない…『故郷』とか(笑)。…あ、『マイム・マイム』とか?
ああ、なんかかっこよくなりそうじゃないですか?
MV作るんだったら、マイム・マイムはそのまま振り付けに取り入れてもよさそうですね。歌っている本人は別の新しいダンスをしているんだけど、バックでは音に合わせてマイム・マイムを踊っている、みたいな。
そもそも「マイム・マイム」ってどういう意味なんですかね?マイム…?
イスラエル…?なんか旧約聖書ですよね?
(調べながら)あ、旧約聖書の「あなたたちは喜びのうちに救いの泉から水を汲む」っていう一説がそのまま歌詞になっているみたいです。
「マイム(mayim)」がヘブライ語で「水」を指すんですね。
いいですね、「救いの水」を「手洗いの水」に。
つながりましたね(笑)。
メロディーはどうしましょうか?デモ音源だとラップみたいな感じですけど、子どもが歌うことを考えるとメロディーがあった方がいいですよね?
そうですね、ラップパートとメロディーのあるサビパートとメリハリがついていた方がわかりやすそうです。
そういう「みんなで歌う」っていう要素を考えずに歌詞を作ったので、後からそういうのを足さないと…。
そしたらある程度メロディーを作ってから歌詞をあてこんでいくようにしましょうか?ジャーマンはいろいろできるので、言ってもらったら対応できると思います!
じゃあ「ここに台詞を入れたいです」みたいな構成のイメージがあれば先に聞いておきたいです。
唐突に曲が始まるっていう感じが好きなので、台詞があって、そこからごまをすって…っていうイメージでデモを作ったんですけど、逆でもいいのかなっていう気もしています。
一回メロディーを作っていただいて、そこから考えてみてもよさそうですね。「ごまをする」じゃなくてほかの案が浮かぶ可能性もありますし、そもそも「手洗い」じゃなくて「LOVE & PEACE」みたいなテーマにしてもいいかもしれませんし。
『We Are The World※2』みたいな?(笑)
※2We Are The World(ウィ・アー・ザ・ワールド):アフリカの飢餓、貧困問題を解消する目的で作られたキャンペーンソング。マイケル・ジャクソンやスティーヴィー・ワンダーなど著名なミュージシャンが45人も集って作られた。
そうそう(笑)。時期が時期※3なので「ハグしよう」とか「キスしよう」とかは言えないですけど、「人類みんなで乗り越えよう」っていう大きなテーマを掲げてもいいかもしれません。
まぁまずはメロディーですね。その後、デッカチャンに歌詞を作ってもらって、もしできれば「歌ってみた」的なデータをいただけると…。ボイスメモとかでいいので。
※3当打ち合わせはコロナウィルス感染拡大を抑えるため、ソーシャルディスタンスが推奨されている2020年3月に行われた。
そしたら『Voloco※4』っていうアプリで録音します。Dropboxとか、共有方法もいろいろあるので。
※4Voloco(ボロコ):リアルタイム音声処理アプリ。自動的に曲のキーを推測して声のピッチを修正する。
なんですか、それ?子どもたちの声を録音するときも使えそうじゃないですか?
そうですね。オケ※5に合わせて録音できるので使えると思います。
※5オケ:ボーカルのない伴奏のみの楽曲のこと。語源は「オーケストラ」。
今の時期、会うことが難しいので子どもの声をどう録音しようかと思っていましたけど、アプリを使ってボイスデータを回収できるなら、制作は問題なく進められますね!
でもMVの撮影はどうしましょうか。できれば楽しんでいる臨場感は欲しいですよね。
画としては『おかあさんといっしょ』のエンディングみたいなのをイメージしています。うたのおにいさんが歌って踊っている間、子どもたちは足にしがみついたり、その辺で遊んでいたり、強制させられることなく自由にしている感じがいいなって。
そういうの撮影できたらいいですけど、今コロナで難しそうですね。思ったのは、家の中で子どもが駄々をこねているときにTVではデッカチャンがこの曲を歌って踊っていて、それを見て子どもも踊りだして、次のシーンではデッカチャンが飛び出して一緒に親におねだりをする、みたいな感じだったらそんなに人数も必要じゃないかなって気がします。
TVの中の僕の歌によって子どもたちが親にごまをするっていうのは、どうなんですかね…?
最後に子どもと一緒にデッカチャンもお母さんに叱られたらどうですか?それか「ごまをする」っていうテーマから離れてもいいですし。映像としては楽しそうです!まず曲の形ができたらまた打ち合わせしましょう。
多くの企業がコロナを理由に、当初進めていた企画を延期・中止していく中、打ち合わせは有意義に行われ、心的距離はより“密”になったMY SONGチーム。
柔軟に物事を捉え、前に進むことができるメンバーだと、制限された状況でもなにかに固執することなく新しい方法を取り入れることができ、次々にアイデアも湧いてくる。
次回はより具体的に楽曲のイメージが見えてきそうだ。
これ以降の打ち合わせは緊急事態宣言が発出 (2020年4月7日)されたため、ビデオチャットツールで行われることも決まった。
(次回へ続く)