4月某日。都内会議室で、MY SONGプロジェクト第1回目の打ち合わせが行われました。
メンバーは、鈴木セリーナ、須賀満、そして、ECサイトを構築する天才ウェブクリエイター大槻の3人。
MY SONGプロジェクトをサービスとしてECサイトで展開するまでの計画が話し合われました。
お客様の設定はどうする?
個人のために音楽を作るサービスというのは、今までになかったものなので、お客様に説明するのが結構難しいと思うんです。どんな楽曲で、どんな人が作って、どんな過程があるのか…など、お客様の「?」が、すぐに解決できるサイトを構築する必要があると思います。この辺からお話を進めていきましょう。大槻さんはどのようにお考えですか?
まずはどんな用途に使う音楽なのか、主たるテーマを3つくらいに分けて、紹介するのがわかりやすいかな、と思っています。
たとえば、「結婚式で使いたい歌」、「趣味として使いたい歌」、「誕生日に贈りたい歌」…という感じでしょうか。
シーズンごとに、卒業の歌や、母の日に贈る歌などと、入れ替えてもよさそうです。
あと、社歌を入れるという話もありましたね。
それについて僕、思ったんですけど、社歌はないほうがいいのかなって。
企業に提供する音楽となると、MY SONGプロジェクトのコンセプトからちょっと外れちゃうと思うんです。会社と個人では、使いみちがまったく違うので。
MY SONGプロジェクトのお客様は、団体ではなく、個人のみに定めたいですのですが…。
辞書によると、「2人以上」の集団は、団体になるとのことなんですね。
ということは、結婚式で使う曲がほしいというカップルも、“団体”ということになってしまうので、しっかりした説明をする必要がありますね。
たとえば、「カップルは団体に含まれません」という注意書きを入れるとか。
注意書きとともに、お客様と契約書を交わして、安心してMY SONGプロジェクトを利用していただきたいですね。
とはいえ、MY SONGプロジェクトを利用したいという企業もあると思うので、その場合は別途、問い合わせしてくださいという感じにしますか?
そうですね。そうしましょう。
制作事例を紹介して、楽曲制作の過程を説明
オプションはどうしましょうか。ギター、シンセサイザー、ドラムなどのほか、作詞代行など、オプションをつけようと思ったら、いくらでも増えていきますよね。
でもそうすると、キリがないし、お客様は想像がつきにくいと思うんです。
なので、サイト上で音源のサンプルを聴けるようにしたいと思ってます。それには、どういう方法があるでしょうか?
サイト上で直接聴くとしたら、ストリーミング再生になりますが、サイトに負荷がかかるんですよね。YouTubeで再生できるようにするのが、ベストだと思います。
では、YouTubeにしましょう。
本物の楽器を使っての生演奏バージョンと、フル打ち込み※バージョンの、2つを聴き比べできるようにしたいですよね。
生演奏とフル打ち込みの違いって、文章だけでは伝わりにくいと思うんです。
(※打ち込み=音楽ソフトで作成する曲)
そうですね。ただ、聴いても違いがよくわからないという人もいると思うんですよね…。最近の打ち込みの音って、本当に優れているので。
そうですね。違いが、はっきりわかる音楽にしてあげたほうがいいと思います。
あと、制作過程をどうやって説明するかですね。文章で説明することもできますが、一番いいのは、どなたかにモニターをお願いして、その制作過程を記事にして紹介するのがよさそうです。
制作事例を作るということですね。
そうです。「こうやって作るんだ」という流れがわかったほうが、サービスの利用を検討しているお客様にも親切かなと。結婚式を控えたカップルにお願いして、楽曲制作をできたらと考えています。こちらは決まり次第、またお知らせしますね。
サービスの紹介は、ストーリー性を重視したい
サイトはどんなイメージですか?
MY SONGプロジェクトの専用ページは、須賀さんの世界観を前面に出したほうがいいと思うんです。なので『SerenadeTimes』とは違うイメージのデザインがいいですね。
あと、曲ができるまでのフローを、できるだけ情緒的にしたいです。
情緒的に…というと?
物語的のように説明したいんですよね。
たとえば、Tiffanyのサイトを見ると、最初にストーリーがあって、最後に商品が来るように設計されてるんです。商品を一つずつ、ドラマチックに演出してるんですよ。
MY SONGプロジェクトも、「どうしてあなただけの音楽が必要なのか」という物語から始まって、最後にサービス購入ページに進めるようにできたらいいなと考えています。物語といっても、長すぎない程度の文章に抑えて。
須賀さんの「たくさんの人に、自分だけの音楽を持ってほしい」という思いを、伝えたいんです。
いいですね。
プロジェクトに関わるクリエーターのお名前も公開したいのですが、それは可能ですか?
参加するスタッフの名前ですか? もちろん、大丈夫です。
参加する作曲家だったり、ミュージシャンの名前と実績を出したほうが、お客様の関心が高まると思うので。
そして重要な課題は、料金設定をどうするかですね。
そうですね。使う機材によっても、金額は変わってきます。
では、須賀さんに、基本の料金プランを考えていただいて、次の打ち合わせにお持ちいただくという形にしましょう。
——サイトの設計や料金プランなど、考えることがまだまだ山積みのMY SONGプロジェクト。次回の打ち合わせでは、どんな展開が待っているのでしょうか? 続きをお楽しみに!
(第2回に続く)