MY SONGプロジェクトのサンプルカップルとして白羽の矢が立ったのが、大竹一紀さん(33)、茉里江さん(30)ご夫妻。新婦は筆者の学生時代の友人で、今回お願いすることになりました。曲作りの第一段階となるこの打ち合わせでは、お二人がどのような思いで、どんな楽曲を望んでいるのかを、徹底的にヒアリングしていきます。
手紙の代わりに、音楽を
MY SONGプロジェクトは、ご依頼主様のために、プロがイチから曲を作っていくという新規サービスです。楽曲制作にあたり、お二人の馴れ初めや、ご家族との関係性などを教えていただければと思います。
お二人は、10月の結婚式で使う曲をご希望なんですよね?
はい。結婚式というと、新婦が両親に向けた手紙を読むのが一般的だと思うのですが、人前で手紙を読むのがどうも苦手で…。
それで、手紙の代わりにメッセージムービーを作ることにしたんです。でも、ムービーに合う曲がなかなか見つからなくて。
僕はギターが少し弾けるので、自分で簡単な曲を作ろうかなとも考えていたんですよ。
そんなときにMY SONGプロジェクトを紹介してもらって、詳しくお話を聞いてみたいと思ったんです。
一紀さんは、ギターはどのくらいやられていたんですか?
中学生の頃から二十歳くらいまでクラシックギターを習っていました。
おお、それなら結構弾けますよね!?
MY SONGプロジェクトでは、色々なプランを準備しておりまして、ご依頼主様が演奏したいと思ったら、ご自身で弾いていただくというプランもあります。それだけギターのご経験がおありなら、レコーディングという厳しい作業にもばっちり耐えられますね!
僕のスケジュールに“レコーディング”という文字が入るのは初めてです。なんか嬉しいですね。
反抗期を経てわかった、親のありがたみ
茉里江さんは、メッセージムービーでご両親にどんなことを伝えたいですか?
私の家は、父母姉の4人家族なのですが、昔からすごく仲がいいんです。週末になると、しょっちゅう家族そろって出掛けたりしていました。
でも、高校生になったくらいから、両親をすごく鬱陶しく感じるようになったんです。いわゆる反抗期ですよね。そのとき、親にはかなり迷惑をかけてしまいました。
具体的に、どんな反抗期だったのでしょうか?
あまり家に帰らなくなりました。
母はいつも夜ご飯を作って待ってくれていたのですが、当時はそれが煩わしくて、また反抗したり…。
父と喧嘩したときには「別に好きで生まれてきたわけじゃない」なんて、ひどいことを言ったこともありました。父が覚えているかはわかりませんが、きっと傷ついただろうなと思います。
反抗期は何歳まで続いたんですか?
17、18歳くらいがピークでした。短大に入ってからは自然と落ち着いていき、いつの間にか両親とも普通に話せるようになりました。
短大時代は、実習で毎日すごく忙しかったのですが、そんなとき支えてくれたのが両親でした。
社会人になって一人暮らしするようになってからは、たびたび家に来てくれては、ご飯を支度してくれるなどサポートしてもらって、本当にありがたいなぁと…。
妻はこの話をすると、いつも感極まってしまって、今お酒が入っていたら、おそらく泣いているでしょうね(笑)。
本当に、いいご両親なんですね。
私にとっては最高の両親です。しかも父と母はとても仲がいいので、将来あんな夫婦になりたいという理想でもあります。
ところで、お父さんやお母さんにひどいことを言ってしまったときのことを、今まで話したことはあるんですか?
一度もないんです。
直接話すのが照れくさいから、その辺の気持ちを歌にできたらいいなと思っています。
出会いは大井町の立ち飲み屋
お二人の出会いについても、教えてください。
出会いは今から2年前。大井町の立ち飲み屋ですね。
いつもは友達と飲みに行くことが多いのですが、その日はたまたま一人で飲んでみようと思って行ったんです。そのとき隣で飲んでいたのが、主人でした。友達期間を1年くらい続けたあとに、恋人として付き合い始めました。
友達から恋愛に発展するって、どんな感じなんですか?
一緒に飲んでると、食の好みとか好きなお酒とか、共通する部分が結構あって、居心地が良かったんですよね。
友達期間は1年間とのことですが、ちなみに付き合いだしてから、どれくらいで結婚されたんですか?
付き合って7ヵ月目にプロポーズして、10ヵ月目に入籍しました。
すごい、スピーディーですね! 仲の良いお二人は、喧嘩をすることはあるんですか?
喧嘩はしませんが、僕は仕事で出張しがちなので、それがあんまり続くと怒られたりしますね。
寂しくて?
はい、そうですね(笑)。
可愛らしいですね!
両親だけでなく、みんなが「良かった」と思えるイベントに
お二人の雰囲気や、ご両親へ伝えたいことなど、かなりヒアリングできました。
曲に対するイメージを伺っていきたいと思います。具体的にどのような感じの曲がご希望でしょうか?
あまり、バラード過ぎないほうがいいかなと思っています。メジャーコード気味で、中くらいのテンポのイメージですね。ビートルズの『Let It Be』くらいのテンポがいいかなと思っています。
あと、個人的にはひずんでないギターとか、バンドサウンドが入っていたほうが嬉しいです。
曲を聴かせることで、ご両親にはどんな気持ちになってほしいですか?泣かせたいとか、笑わせたいとか。
う~ん。そのへんは僕らも複雑なところです。
どちらかというと、泣かせたいとは思っているんですが、ひとつの催し物として、周りの人が見ても、「良かったな」と思えるものにもしたいんです。そうしたら、やっぱり多少の盛り上がりはつけるべきかなぁ、と思ったり…。
めちゃくちゃ泣かせにいきたいのなら、やはりバラードが鉄板です。サビにストリングスとか入ってくるような感じですね。そっち寄りにすることもできます。
メジャーキーで中くらいのテンポだと、感動はするけど、ほのぼのする感じになりますね。
あ、ほのぼのいいですね。
式場が結構アットホームなところなので、ほのぼの感が合うと思います。
かしこまりました。僕は、ボーカルは女性のイメージだったのですが、いかがですか?
そうですね、女性がいいです。私、YU-Aさんというアーティストの声が大好きなんです。
なるほど。僕の知り合いのシンガーで、ドンピシャな人がいるので、その方にオファーしてみようと思います。
では、シンガーは須賀さんにおまかせで大丈夫ですね。
あとは、歌詞ですね。どのようにまとめていきましょうか?
歌詞に込めたい思いを、箇条書きで結構ですので、いただけますでしょうか? それをベースに、作詞家でもあるセリーナさんに作詞を担当していただきます。
私はじっくり考えて、箇条書きにしてお送りします。
精一杯やらせていただきます。
歌詞についてはこんな感じでいきましょう。次は、楽曲完成までの順序を、説明しますね。
まず曲を作ります。シンセでメロディを作るので、その時点で一度聴いてもらって、「もっとサビを盛り上げてほしい」などのご要望があれば、それに合わせて修正します。
修正後、メロディに合わせて楽器の音をはめていき、歌詞をのせて、最終版を聞いてもらう…という流れになります。
楽しみです!
式が10月ということは、8月中に完成しているのがベストですよね。
レコーディングって、どのくらい時間がかかりますか?
歌入れと、一紀さんのギター演奏も含めて、1日あれば終わります。
レコーディングって、プロのミュージシャンみたいで格好いいですね(笑)。
出来上がった音楽は、CDとデータでお渡しします。
カラオケバージョンも入れるので、いつでも歌っていただけますよ。
親族の集まりがあったときに、歌えたらいいですね(笑)。
——サイトの設計や料金プランなど、考えることがまだまだ山積みのMY SONGプロジェクト。次回の打ち合わせでは、どんな展開が待っているのでしょうか? 続きをお楽しみに!
(第3回に続く)